風邪をひいたらグルタミン!

タンパク質

グルタミンとは

グルタミン(グルタミン酸、英: glutamine)は、アミノ酸の一種です。
グルタミンは身体内で最も豊富に存在する非必須アミノ酸であり、通常の食事や体内で他のアミノ酸から合成されます。

グルタミンの役割

グルタミンは、身体内で多くの重要な役割を果たしています。以下に、グルタミンの主な身体内での役割を詳しく説明します。

  1. 筋肉のエネルギー供給: グルタミンは、筋肉組織で重要なエネルギー源として機能します。特に長時間の運動や高強度のトレーニング時には、筋肉がグルタミンを利用してエネルギーを生産します。
  2. タンパク質合成の補助: グルタミンは、タンパク質の合成において重要な役割を果たします。特に筋肉組織では、グルタミンがタンパク質合成の材料として使用され、筋肉の成長や修復をサポートします。
  3. 免疫機能のサポート: グルタミンは免疫細胞のエネルギー源として機能し、免疫機能の維持や回復に関与します。免疫細胞(例えば、リンパ球)は高いエネルギー要求を持ち、グルタミンがそのエネルギー供給に重要な役割を果たします。
  4. 腸粘膜の保護: グルタミンは、腸粘膜の細胞をサポートし、消化管の健康を維持する役割があります。腸粘膜は栄養吸収やバリア機能の維持に重要な役割を果たしており、グルタミンはその保護や回復を支援します。
  5. アンモニアの解毒: グルタミンは、肝臓でアンモニアを無害な物質である尿素に変換する過程で重要な役割を果たします。アンモニアはタンパク質代謝の副産物であり、グルタミンはアンモニアを受け入れて解毒する役割を担っています。

グルタミンが含まれる食物

以下にグルタミンが含まれる食物を示します。

  1. 肉類: 牛肉、豚肉、鶏肉などの赤身肉にはグルタミンが豊富に含まれています。特に筋肉部分に多く存在します。
  2. 魚介類: サケ、マグロ、鯛などの魚にもグルタミンが多く含まれています。特に深海魚や青魚には高いグルタミン含有量があります。
  3. 乳製品: 牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品にもグルタミンが含まれています。特に乳清(ホエイ)プロテインには高いグルタミン含有量があります。
  4. 大豆製品: 豆腐、納豆、豆乳などの大豆製品にもグルタミンが含まれています。大豆はタンパク質の良い供給源であり、グルタミンも含んでいます。
  5. 穀類: オートミール、玄米、全粒小麦などの穀類にも一部のグルタミンが含まれています。ただし、穀類に含まれるグルタミン量は肉や魚、乳製品に比べて比較的少ないです。

グルタミンの摂取量目安

グルタミンの摂取量は、個人の目的や状況によって異なる場合があります。一般的なグルタミンの摂取量目安は以下の通りです。

  1. 一般的な目安: 一般的には、健康な成人の場合、1日のグルタミン摂取量は10〜20グラム程度とされています。これは、食品やサプリメントからのグルタミン摂取を総合的に考えた推奨量です。
  2. スポーツ選手や筋力トレーニングを行う人: スポーツ選手や筋力トレーニングを積極的に行う人々は、筋肉の修復と再生に寄与するため、より高いグルタミン摂取量が推奨されることがあります。個別の目標やトレーニングの強度によって異なりますが、20〜30グラムの範囲でのグルタミン摂取が考慮されることもあります。
  3. 医療的な使用: 医療的な使用や特定の健康状態によっては、より高いグルタミン摂取量が必要な場合があります。ただし、医師や専門家の指導のもとで、個別の状況に応じた摂取量を確認する必要があります。

    筋力トレーニングを継続的に実施している人は上記の通り、20~30グラムの範囲でグルタミンを摂取するとよいでしょう

グルタミンの摂取タイミング

グルタミンの摂取タイミングについて、おススメのタイミングを3つ紹介します。

  1. トレーニング前: グルタミンは筋肉のエネルギー源として機能するため、トレーニング前に摂取することでエネルギー補給や筋肉の保護に役立ちます。トレーニングの約30分前から1時間前にグルタミンを摂取することが推奨されます。
  2. トレーニング後: トレーニング後の摂取は、筋肉の修復と再生をサポートするために重要です。トレーニング終了後30分以内にグルタミンを摂取することで、筋肉に必要な栄養素を迅速に補給し、回復を促進することができます。
  3. 睡眠前: グルタミンは睡眠中に筋肉の修復や成長に関与するため、就寝前にグルタミンを摂取することが考えられます。これにより、筋肉の回復をサポートし、筋力の向上に寄与することが期待されます。

胃腸が弱い人にもグルタミンはおススメ

胃腸が弱い人にもグルタミンはおススメです。
理由として、グルタミンは消化機能の改善を促してくれるからです。


グルタミンが消化機能の改善を促す主な理由は以下の通りです。

  1. 腸粘膜のエネルギー源: グルタミンは腸粘膜の細胞の主要なエネルギー源として機能します。腸粘膜は消化管の内壁を覆っており、栄養素の吸収や消化液の分泌など、消化機能に関与しています。グルタミンの摂取により、腸粘膜細胞は十分なエネルギーを得て正常に機能し、消化過程を改善することが期待されます。
  2. 腸壁の修復と再生: 胃腸の問題や炎症などによって腸壁が傷つくと、消化機能が低下することがあります。グルタミンは腸粘膜の修復と再生をサポートし、腸壁の健康を改善することができます。腸壁が健康な状態に戻ると、消化過程が円滑に行われ、栄養吸収が改善されます。
  3. 腸内細菌のバランス調整: 腸内細菌のバランスは消化機能に重要な影響を与えます。グルタミンは腸内細菌の増殖を抑制し、善玉菌の活性を促進する効果があります。正常な腸内細菌叢の維持は、消化過程や栄養吸収の正常化に寄与します。
  4. 粘液層の保護: 消化管の内壁には粘液層があり、胃酸や消化酵素から腸粘膜を保護する役割を果たしています。グルタミンの摂取により、粘液層の厚さや質が改善され、腸粘膜の保護が促進されます。

これらの効果により、グルタミンは消化機能の改善に寄与すると考えられています。
胃腸が弱いことに悩んでいる人は積極的にグルタミンを摂取するようにしましょう。

風邪をひいたらグルタミン

これまで述べてきたように、グルタミンは免疫細胞のエネルギー源として機能し、免疫機能をサポートする役割があります。風邪はウイルス感染による免疫応答の結果であり、免疫システムの働きが重要です。グルタミンの摂取により、免疫機能の維持や回復を促し、風邪の症状の軽減に寄与する可能性があります。
また、風邪や風邪薬の使用によって、胃腸の健康や腸粘膜が影響を受けることがあります。グルタミンは腸粘膜の細胞をサポートし、腸粘膜の保護や修復を促します。胃腸の健康を改善することで、風邪の症状の軽減や回復を支援する可能性もあります。

ストレスとグルタミン

ストレスは、グルタミンの需要を増加させることが知られています。ストレスが継続すると、体内のグルタミンの消費が増加し、グルタミンの生成や供給が追いつかなくなる可能性があります。

以下に、ストレスとグルタミンの関係について説明します。

  1. ストレスホルモンとグルタミン: ストレス状態では、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増加します。コルチゾールは、グルタミンの分解を促進し、肝臓でのグルタミン合成を減少させることで、血中のグルタミン濃度を低下させます。これにより、ストレス状態ではグルタミンの需要が高まります。
  2. 免疫応答とグルタミン: ストレスは免疫機能にも影響を与えます。免疫系はグルタミンをエネルギー源として使用し、免疫応答を調節するためにグルタミンに依存しています。ストレスが継続すると、免疫系の活性化によりグルタミンの需要が増加し、グルタミンの消費が増えます。
  3. 筋肉のストレスとグルタミン: 高強度の運動やトレーニングは筋肉にストレスを与えます。ストレスが継続すると、筋肉組織がグルタミンを必要とするため、グルタミンの需要が増加します。これにより、トレーニング中や回復期間中のグルタミンの供給が不足する可能性があります。

ストレスが継続すると、グルタミンの需要が増加し、体内での生成量が不足する可能性があります。そのため、ストレスが継続する状況では、グルタミンの摂取量を増やすことが考慮されます。

まとめ

グルタミンは、必須アミノ酸とは違い体外から取り込まなくても、体内で生成できる非必須アミノ酸です。
ですが、強度なトレーニングを行う人、日常的にストレスを抱えている人、腸の炎症や病状、吸収不良などの問題がある人は特に、体内で生成されるグルタミンの量では足りません。
なので、積極的にグルタミンは摂取するようにしましょう。

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