
私たちの健康や美容に欠かせない栄養素である「タンパク質」。しかし、その質を評価する基準があることをご存じでしょうか?それが今回ご紹介する「アミノ酸スコア」です。本記事では、アミノ酸スコアの基本から計算方法、そしてタンパク質との関係まで、初心者にもわかりやすく丁寧に解説していきます。栄養管理やダイエットに役立つ知識を、ぜひここで身につけてください!
アミノ酸スコアとは?基本をわかりやすく解説
ここでは、アミノ酸スコアについて、基本的な考え方や重要性をわかりやすく説明していきます。
アミノ酸スコアとは?
アミノ酸スコアとは、食品に含まれるタンパク質の「質」を数値化した指標です。具体的には、人間の体に必要不可欠な「必須アミノ酸」が、どれだけバランスよく含まれているかを示します。スコアは0〜100の範囲で表され、100に近いほど「理想的なタンパク質源」とされています。
必須アミノ酸とは?
- 体内で合成できないため、食事から摂取する必要があるアミノ酸のこと
- 例:リシン(リジン)、ロイシン、トリプトファンなど
つまり、アミノ酸スコアが高い食品を選ぶことで、体が効率よくタンパク質を利用でき、健康維持や筋肉作りに役立つのです。
アミノ酸スコアの計算式
アミノ酸スコアは次の手順で計算されます。
- 食品に含まれる必須アミノ酸の量を測定する
- WHO(世界保健機関)などが定めた基準量と比較する
- すべての必須アミノ酸について、基準に対する充足率(%)を計算する
- 最も不足しているアミノ酸の充足率が、その食品の「アミノ酸スコア」となる
例:
- ある食品に含まれるリジンが、基準値の90%だった場合 → アミノ酸スコアは90
- 最も低いスコアがそのまま全体のスコアとなるため、”たった1種類の不足”が全体の評価に大きく影響します。

アミノ酸スコアとタンパク質の関係
タンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されています。そのうち9種類が必須アミノ酸で、体内で合成できないため、外部から摂取する必要があります。
アミノ酸スコアが高いタンパク質源は、これら必須アミノ酸をバランスよく含んでいるため、以下のメリットがあります。
- 体内で効率よく利用できる:筋肉や臓器の修復・成長をサポート
- 免疫力アップ:抗体の生成に必須
- 美容効果:肌や髪の健康維持に貢献
一方、アミノ酸スコアが低い場合は、不足しているアミノ酸が原因で、他のアミノ酸も十分に活用できず、せっかく摂ったタンパク質が無駄になってしまうこともあります。
代表的な食品のアミノ酸スコア例
食品 | アミノ酸スコア |
---|---|
鶏卵 | 100 |
牛乳 | 100 |
大豆 | 100 |
白米 | 65 |
小麦粉 | 40 |
このように、アミノ酸スコアが高い食品を意識的に取り入れることで、効率よく健康管理を行うことができます。
アミノ酸スコアを構成するアミノ酸の種類
ここでは、アミノ酸スコアを決定づける「必須アミノ酸」について、詳しく解説していきます。
必須アミノ酸とは?
必須アミノ酸とは、人間の体内で合成することができず、食事から摂取しなければならない9種類のアミノ酸を指します。これらは以下の通りです。
- リシン(リジン)
- ロイシン
- イソロイシン
- バリン
- スレオニン(トレオニン)
- トリプトファン
- フェニルアラニン
- メチオニン
- ヒスチジン
これらの必須アミノ酸は、筋肉、皮膚、酵素、ホルモンなど、体のあらゆる構造や機能に不可欠な材料となっています。
必須アミノ酸が不足するとどうなる?
必須アミノ酸が不足すると、体にさまざまな悪影響が現れます。
- 筋肉量の減少:筋肉の修復・合成が滞るため、筋力低下や疲労感が出やすくなります。
- 免疫力の低下:抗体や免疫細胞の材料が不足し、感染症にかかりやすくなります。
- 成長障害:特に成長期の子どもにとっては、身長や体重の伸びに影響します。
- 肌や髪のトラブル:コラーゲンやケラチンの合成が滞り、肌荒れや抜け毛が増える原因に。
- 精神面への影響:トリプトファン不足により、セロトニン(幸福ホルモン)の生成が低下し、気分の落ち込みを招くこともあります。
このように、必須アミノ酸は健康を支える土台であり、毎日の食事でバランスよく摂取することがとても重要です。
食品別アミノ酸スコア一覧
ここでは、代表的な食品ジャンルごとに、アミノ酸スコアの特徴を紹介していきます。食材選びの参考にして、バランスの良い食生活を目指しましょう。
肉類のアミノ酸スコア
牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類は、アミノ酸スコアがほぼ100と非常に優秀です。必須アミノ酸がバランスよく含まれており、筋肉合成や体力維持に最適なタンパク源です。脂肪分を抑えたい場合は、鶏むね肉や赤身肉を選ぶと良いでしょう。
食品名 | アミノ酸スコア | カロリー(100gあたり) |
---|---|---|
牛もも肉(赤身) | 100 | 約200kcal |
鶏むね肉(皮なし) | 100 | 約110kcal |
豚ヒレ肉 | 100 | 約130kcal |
魚介類のアミノ酸スコア
魚介類もアミノ酸スコアが高く、特にマグロ、サケ、サバなどはスコア100に近い数値を持っています。さらに、魚にはDHA・EPAなどの良質な脂肪酸も豊富に含まれており、脳や血管の健康維持にも役立ちます。低脂肪で消化も良いため、幅広い世代におすすめです。
食品名 | アミノ酸スコア | カロリー(100gあたり) |
---|---|---|
マグロ(赤身) | 100 | 約125kcal |
サケ(銀鮭) | 100 | 約140kcal |
サバ(生) | 100 | 約200kcal |
卵類のアミノ酸スコア
卵類、特に鶏卵はアミノ酸スコア100を誇る「完全食品」です。必須アミノ酸が理想的なバランスで含まれており、1個で多くの栄養素を手軽に摂取できる優秀な食材です。茹で卵やオムレツなど、さまざまな調理法で飽きずに取り入れられます。
食品名 | アミノ酸スコア | カロリー(100gあたり) |
---|---|---|
鶏卵(全卵) | 100 | 約150kcal |
うずら卵 | 100 | 約170kcal |
乳製品のアミノ酸スコア
牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品もアミノ酸スコアが高く、ほぼ100に近い数値です。カルシウムやビタミンB群も豊富に含まれているため、骨や歯の健康維持にも役立ちます。間食や朝食に取り入れると手軽に栄養補給が可能です。
食品名 | アミノ酸スコア | カロリー(100gあたり) |
---|---|---|
牛乳(普通牛乳) | 100 | 約67kcal |
ヨーグルト(無糖) | 100 | 約62kcal |
プロセスチーズ | 100 | 約330kcal |
豆類・大豆加工品のアミノ酸スコア
大豆は植物性食品の中では珍しくアミノ酸スコア100に達する食材です。豆腐、納豆、味噌、豆乳など、大豆を使った加工品も良質なタンパク源となります。ベジタリアンやヴィーガンの方にも重要なタンパク質供給源として活用されています。
食品名 | アミノ酸スコア | カロリー(100gあたり) |
---|---|---|
大豆(乾燥) | 100 | 約400kcal |
豆腐(絹ごし) | 100 | 約55kcal |
納豆 | 100 | 約200kcal |
野菜・いも類のアミノ酸スコア
野菜やいも類は、一般的にアミノ酸スコアが低めです。ただし、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富であり、タンパク質食品と組み合わせることで栄養バランスを整えることができます。特に、じゃがいもは野菜の中では比較的アミノ酸スコアが高めです。
食品名 | アミノ酸スコア | カロリー(100gあたり) |
---|---|---|
じゃがいも | 約73 | 約76kcal |
ほうれん草 | 約50 | 約20kcal |
にんじん | 約40 | 約40kcal |
きのこ類のアミノ酸スコア
きのこ類もアミノ酸スコアは高くありませんが、低カロリーで食物繊維やビタミンDを多く含みます。しいたけやエリンギ、しめじなどは、食事にボリュームと栄養をプラスする役割を果たします。メインのタンパク源と一緒に取り入れるのがおすすめです。
食品名 | アミノ酸スコア | カロリー(100gあたり) |
---|---|---|
しいたけ(生) | 約40 | 約18kcal |
えのきたけ | 約45 | 約22kcal |
しめじ | 約43 | 約20kcal |
海藻類のアミノ酸スコア
わかめ、昆布、ひじきなどの海藻類もアミノ酸スコアは控えめですが、ヨウ素やマグネシウム、食物繊維が豊富に含まれています。栄養価を高めるために、味噌汁やサラダに海藻を加えるのが効果的です。
食品名 | アミノ酸スコア | カロリー(100gあたり) |
---|---|---|
わかめ(生) | 約45 | 約16kcal |
ひじき(乾燥) | 約60 | 約140kcal |
昆布(乾燥) | 約50 | 約150kcal |
主食類(ごはん・パン・麺など)のアミノ酸スコア
ごはん(白米)やパン、麺類(うどん・パスタ)などの主食類は、アミノ酸スコアが低めです(白米:約65、小麦粉:約40)。しかし、肉や魚、大豆製品などと一緒に摂取することで、アミノ酸バランスを補うことが可能です。栄養の「組み合わせ」を意識しましょう。
食品名 | アミノ酸スコア | カロリー(100gあたり) |
---|---|---|
白米(炊飯後) | 約65 | 約168kcal |
食パン | 約40 | 約260kcal |
うどん(茹で) | 約45 | 約105kcal |
果実類・ナッツ類のアミノ酸スコア
果物はタンパク質量が少なく、アミノ酸スコアも高くありません。ただし、ビタミンや抗酸化成分が豊富なため、健康維持には欠かせない存在です。ナッツ類(アーモンド、くるみなど)は、植物性タンパク質を補いながら良質な脂質も摂取できるため、適量を心がけながら取り入れると良いでしょう。
食品名 | アミノ酸スコア | カロリー(100gあたり) |
---|---|---|
バナナ | 約40 | 約86kcal |
アーモンド(無塩) | 約70 | 約600kcal |
くるみ(無塩) | 約70 | 約670kcal |
アミノ酸スコアが高い食品・低い食品
アミノ酸スコアを理解することで、食事の質をより高めることができます。ここでは、スコアが高い代表的な食品と、低い食品の特徴や注意点について整理します。
アミノ酸スコアが高い代表的な食材
アミノ酸スコアが高い食品は、必須アミノ酸がバランスよく含まれているため、体にとって非常に効率の良いタンパク源になります。以下が代表例です。
- 鶏卵:完全食品と呼ばれ、アミノ酸スコア100。手軽に摂取できるのが魅力です。
- 牛肉・豚肉・鶏肉:いずれもスコア100。筋肉の維持や免疫力向上に効果的。
- 魚介類(マグロ、サケ、サバなど):スコア100に近く、オメガ3脂肪酸も豊富。
- 乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ):高スコアに加えてカルシウムも補給可能。
- 大豆および大豆加工品(豆腐、納豆など):植物性食品でありながらスコア100。
これらの食品を意識的に取り入れることで、タンパク質の質を高めることができます。
アミノ酸スコアが低い食品とその注意点
一方、アミノ酸スコアが低い食品もあります。これらは特定の必須アミノ酸が不足しているため、単独で摂取するとタンパク質の効果が十分に発揮されない可能性があります。
- 白米、パン、麺類:リシン(リジン)が不足しがち。
- 野菜類:全体的にタンパク質量が少なく、必須アミノ酸のバランスも不十分。
- 果物類:タンパク質量が非常に少ないため、アミノ酸スコアも低め。
- きのこ・海藻類:栄養は豊富でも、タンパク質源としては弱め。
これらの食品を摂取する際は、他の高スコア食品と組み合わせることが大切です。
アミノ酸スコアが低い食品を食べても大丈夫?
結論から言えば、「アミノ酸スコアが低い食品を食べても問題ありません」。大事なのは、食事全体のバランスです。
アミノ酸スコアが低い食品も、ビタミン、ミネラル、食物繊維など他の重要な栄養素を豊富に含んでいるため、健康的な食生活には欠かせません。ただし、タンパク質補給の面だけで見ると不足する可能性があるため、工夫が必要です。
ポイントは、食材を組み合わせてアミノ酸スコアを補うことです。
食材の組み合わせでアミノ酸スコアを補う方法
アミノ酸スコアが低い食品でも、他の食品と組み合わせることで、栄養バランスを整えることができます。これをアミノ酸スコアの補完効果と呼びます。
代表的な組み合わせ例は以下の通りです。
- 白米 × 納豆・卵
→ リシン不足を補い、バランスの良いタンパク質に。 - パン × チーズ
→ 小麦由来の不足アミノ酸を乳製品で補完。 - うどん × 豆腐
→ 植物性たんぱく質を強化し、アミノ酸スコアを向上。 - 野菜サラダ × チキン
→ タンパク質不足を鶏肉でカバーし、栄養価の高い一皿に。
このように、単品では不足する栄養も、組み合わせ次第で理想的なバランスに近づけることができるのです。
アミノ酸スコアを活用した食事づくりのポイント
アミノ酸スコアは、食材選びにおいて非常に役立つ指標ですが、それだけに頼るのは不十分です。ここでは、より実践的にアミノ酸スコアを活かすためのポイントを解説します。
アミノ酸スコアだけでは不十分?含有量もチェック
アミノ酸スコアが100であっても、その食品に含まれるタンパク質の量自体が少なければ、十分な栄養補給にはつながりません。例えば、卵や鶏肉はアミノ酸スコアが高く、かつタンパク質含有量も豊富ですが、野菜や果物はアミノ酸スコアに関係なく、そもそもタンパク質量が少ないため、タンパク質源としては不向きです。
✅ 食事設計では、以下の両方を意識しましょう。
- アミノ酸スコア(質)
- タンパク質含有量(量)
ポイント例
- 鶏むね肉100gあたり:約22gのたんぱく質
- 白米100gあたり:約2.5gのたんぱく質
このように、含有量にも注目して、食材を選ぶことが大切です。
調理方法による影響も考慮しよう
調理方法によって、食品に含まれるアミノ酸やタンパク質が変化する場合があります。
- 高温加熱による変性
→ タンパク質は熱で変性し、消化吸収されやすくなる一方、過度な加熱で一部のアミノ酸が損なわれる可能性も。 - 煮る・ゆでると栄養素が流出
→ 特に水溶性のアミノ酸やビタミンは、煮汁に溶け出すことがあるため、煮汁ごと使うスープ料理などが効果的。 - 揚げ物は脂質過多に注意
→ タンパク質補給が目的の場合、揚げるよりも、蒸す・茹でる・焼くなどの調理法が理想的。
おすすめの調理方法例
- 蒸し鶏(鶏むね肉)
- グリルサーモン(焼き鮭)
- 豆腐入り味噌汁
調理時も栄養素のロスを最小限に抑える工夫をすることで、効率よく質の高いタンパク質を摂取できます。
よくある質問(FAQ)
Q1:アミノ酸スコアは高ければ高いほどいいの?

はい、基本的には高いほうが望ましいです!
アミノ酸スコアが高いということは、必須アミノ酸がバランスよく含まれている証拠。体が効率よくタンパク質を活用できるので、健康維持や筋肉作りに役立ちます。ただし、スコアが100でも、摂取量やバランスが偏ると健康に悪影響を及ぼす可能性もあるので、さまざまな食材をバランスよく食べることが大切です。
Q2:プロテイン選びにアミノ酸スコアは重要?

とても重要です!
プロテイン製品にも、アミノ酸スコアに差があります。スコア100のホエイプロテインやソイプロテイン(大豆由来)などは、必須アミノ酸がしっかり補えるので特におすすめです。トレーニング効果を高めたい方や、効率よく栄養補給したい方は、アミノ酸スコアをチェックして選ぶと失敗しにくいですよ。
Q3:子供や高齢者にもアミノ酸スコアは大事?

もちろん、大事です!
子供は成長のために、高齢者は筋肉量や免疫力を維持するために、良質なタンパク質が欠かせません。アミノ酸スコアが高い食品を取り入れることで、成長促進や健康寿命の延伸に大きく役立ちます。特に高齢者は、筋肉量が減りやすいので、意識的に取り入れたいですね。
Q4:アミノ酸スコアが100でも過剰摂取になる心配は?

アミノ酸スコアが高いことと、過剰摂取とは別問題です!
どんなにスコアが優れていても、摂りすぎればカロリーオーバーや腎臓への負担につながる恐れがあります。特にサプリメントやプロテインを多用している場合は、全体の栄養バランスを考えながら適量を心がけることが大切です。
まとめ
アミノ酸スコアは、食材の「タンパク質の質」を見極めるうえで非常に役立つ指標です。スコアが高い食品を選ぶことで、体が必要とする必須アミノ酸をバランスよく摂取でき、筋肉の維持、免疫力アップ、美容面のサポートなど、さまざまなメリットが得られます。
ただし、アミノ酸スコアだけを見ればいいわけではありません。
含有量や調理方法にも注目し、さらに異なる食材を組み合わせて栄養バランスを補完する工夫が重要です。
今日からできるポイントは次の通りです。
- 高スコアの食品(卵、肉、魚、大豆製品など)を意識して選ぶ
- ごはんや野菜には、必須アミノ酸を補う食材をプラスする
- 加熱調理や過剰摂取に注意しながら、適量をバランスよく食べる
アミノ酸スコアを上手に活用して、あなたの健康的な食生活をさらにレベルアップさせていきましょう!

【監修者情報】
筋トレ&栄養学に基づくボディメイク指導者/Webライター
大学では運動生理学と栄養学を専門に学び、卒業後は介護施設で高齢者への運動指導に従事。現在はWebマーケティングにも携わりながら、筋トレや栄養学に関する正しい知識を広める活動を行っている。自身もボディメイク大会に出場し、10kg以上の減量や体脂肪率3%までの絞り込みを達成。実体験と専門知識をもとに、科学的かつ実践的なトレーニング・食事管理の情報を発信している。