「脂質」と聞くと、ダイエット中に摂ってはいけない栄養素だというイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
確かに脂質は、たんぱく質や糖質に比べてカロリーが高いので、過度な摂取はカロリーオーバーにつながり体脂肪の蓄積につながります。
ですが、今回紹介する「ケトン体」を体の中でうまく使えるようになれば、脂質をかなり多くとっても体脂肪を減らしていくことが可能なのです。
ケトン体とは
ケトン体とは、体脂肪を分解した際に発生する産物のことです。
アセトン、βヒドロキシ酪酸、アセト酢酸の3つの総称がケトン体です。
このうち、アセトンはエネルギー変換されず呼気に混じり排泄されますが、アセト酢酸とβヘドロキシ酪酸は体内でエネルギー変換されます。
つまり、ケトン体とは「脂質(体脂肪)をエネルギー変換する」ということになります。
人間のエネルギー回路について
人間が体を動かすためには、エネルギーが必要です。
人の体の中には、このエネルギーを作りだす仕組みが2種類あります。
それは、糖質を素にするもの(解糖系)と脂質を素にするもの(ケトン回路)です。
解糖系
摂取した、糖をエネルギーに変換する仕組みです。
体内のブドウ糖をピルビン酸に変える過程で、ATPを生み出します。
このATPが体を動かすエネルギー源になります。
ケトン回路
体内の脂肪をエネルギーに変換する仕組みです。
脂肪を分解する際に生じる脂肪酸の一部が、肝臓でケトン体に変わります。
このケトン体が、体を動かすエネルギーとなります。
エネルギー回路の条件
解糖系回路とケトン回路には、条件があります。
この条件が、ケトン体を生み出すヒントとなります。
① どちらか片方しか作動しない
② 糖質、脂質を同時摂取した場合、糖質が優先される
③ 両方同時にストップすることはない
以上の条件を踏まえ、実際にケトン体をエネルギー源にするにはどうすればよいかを説明していきます。
ケトン体をエネルギー源とするには
ケトン体をエネルギーとするには、食べたものから得た脂質、あるいは、体脂肪分解から得た脂質の2種類どちらかが必要です。
前述したように、糖質の摂取を完全に断つことにより、体のエネルギー回路が解糖系から、ケトン回路に切り替わります。
ですが、ケトン回路にしていく段階で注意しなければいけないことがあります。
それは、十分な脂質を摂取することです。
糖質も脂質も足りていない状態では、体が飢餓状態だと判断し、筋肉などを分解して糖質を作り出しエネルギーに変えようとします。(糖新生と呼ぶ)
ですので、ケトン回路にしていく導入期には、意識して多くの脂質を摂取します。
体がケトン回路になれれば、体脂肪を上手く使えるようになるので、そこから徐々に脂質の摂取量も減らしていきましょう。
まとめ
このように、ケトン体を上手く使えるような体になることで、体脂肪を燃やしやすくなります。
そのためには
・糖質を完全に断つ
・導入期には多くの脂質を摂取する
ことが必要です。
もっと細かいことを言うと、脂質の質にもこだわることも重要です。
脂質の質に関しては、また別の記事で解説していこうと思います。
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