ダイエット中や減量中の人が悩むことで多いのが、「お酒を飲んでもよいのか」「飲むとしたらどのようなことに気を付けて飲めばよいのか」などです。
今回の記事ではそんな「お酒」についてダイエット、減量的な視点から解説していきます。
減量中でも、お酒を楽しみたい場合はいくつかのポイントを抑えることが大切です。
カロリーを意識する
お酒はカロリーが高いため、摂取カロリーを意識することが大切です。ビールや甘口ワイン、カクテルなどは特にカロリーが高いため、量を抑えたり、低カロリーの飲み物に変えるなどの工夫が必要です。
以下は一般的なお酒の100mlあたりのカロリーの目安です。ただし、アルコール度数や製品によって異なるため、あくまでも参考値としてご確認ください。
・ビール(一般的なラガー):45〜60kcal
・ワイン(赤・白):70〜100kcal
・日本酒:120〜150kcal
・ウイスキー:220kcal
・焼酎:70〜110kcal
・ジン:230kcal
・ラム:240kcal
・テキーラ:220kcal
・ウォッカ:220kcal
・カクテル(一般的なもの):150〜250kcal
アルコールがエンプティカロリーといわれる理由
アルコールがエンプティカロリーと呼ばれるのは、そのカロリーが栄養素をほとんど含まないためです。アルコールは炭水化物や脂質、タンパク質などのように、エネルギー源として重要な栄養素を含んでいません。
例えば、1グラムの炭水化物やタンパク質は約4キロカロリーのエネルギーを提供しますが、1グラムのアルコールは約7キロカロリーのエネルギーを提供します。つまり、アルコールは高カロリーでありながら、身体に必要な栄養素をほとんど含んでいないため、エンプティカロリーと呼ばれるのです。
飲む前に食事を摂る
飲酒前にタンパク質を含む食品を食べることで、アルコールの吸収を遅らせることができ、血中アルコール濃度を抑えることができます。さらに、タンパク質は食物の熱量に対して、より長い時間満腹感を持続するため、飲みすぎを防ぎ、ダイエット効果があるとされています。
また、タンパク質は代謝に多くのエネルギーを必要とするため、食べたタンパク質を消化・代謝する過程でカロリーを消費し、脂肪燃焼を促進する可能性があります。
適量を守る
「食事摂取基準 2020年版」によると、成人の1日あたりのアルコールの適量は男性で20グラム以下、女性で10グラム以下とされています。ただし、これはアルコールだけでなく、お酒に含まれる糖質や脂肪分も考慮した量であり、健康上の理由からお酒を摂取する場合でも、適度にとどめることが推奨されています。
国立健康・栄養研究所. 食事摂取基準 2020 年版 [Internet]. 厚生労働省. 2020. Available from: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08599.html
「Dietary Guidelines for Americans 2020-2025」によると、アルコールを飲む場合の適量は、1日あたりのアルコールの量を14グラム以下とすることが推奨されています。ただし、これは全ての人にとって適切な量ではなく、個人の年齢、性別、体重、健康状態、アルコールに対する耐性などによって異なる場合があります。
U.S. Department of Health and Human Services and U.S. Department of Agriculture. Dietary Guidelines for Americans 2020-2025. 9th Edition. December 2020. Available from: https://www.dietaryguidelines.gov/sites/default/files/2021-03/Dietary_Guidelines_for_Americans-2020-2025.pdf
上記のようにお酒の適量については様々な研究があり、研究により適量が異なりますが「飲み過ぎには注意」することが必要であることは確実です。
水分補給を忘れずに
水分補給は、アルコールを摂取する前後に行うことが大切です。飲みすぎを防ぐためにも、アルコールを飲む前には水分を十分に摂取することが重要です。また、アルコールを飲んだ後にも水分をしっかり補給し、脱水症状を予防することが必要です。
Binkhorst RA等の研究(1971)では、アルコールの摂取と断酒時における水分バランスについて調べており、研究には、7人の男性が参加し、アルコールの摂取による尿量の増加や、断酒による尿量の減少など、アルコールが水分バランスに与える影響を調べました。研究結果は、アルコールの摂取により、尿量が増加し、水分バランスが崩れることを示しています。また、断酒時には尿量が減少し、水分バランスが改善されることが示されました。この研究から、アルコールの摂取は水分バランスを崩す可能性があることが示唆されます。したがって、アルコールを摂取する場合には、十分な水分補給が必要であることがわかります。
Binkhorst RA, Schothorst RC, Vliet MV. Water balance during alcohol ingestion and withdrawal in man. Q J Stud Alcohol. 1971;32(4):1032-1043. doi: 10.15288/jsa.1971.32.1032
ただし、飲み物の選択には注意が必要です。例えば、ジュースや炭酸飲料は高カロリーであり、さらにはアルコールの吸収を促進することがあります。スポーツドリンクやカフェインを含む飲み物も、適量にとどめるようにしましょう。ダイエットを意識する場合には、できるだけ水やお茶、または炭酸水などを選んで水分補給することが望ましいです。
まとめ
以下は、お酒とダイエットに関するまとめです。
・アルコールは、カロリーが高く、摂り過ぎると肥満の原因となる可能性がある。
・飲酒前に、タンパク質を多く含む食品を摂ると、アルコールの吸収を緩やかにすることができる。
・飲酒後に水分を補給することは、アルコールの代謝を助けることができる。
・健康的な飲酒のためには、適度な飲酒量を守り、飲酒前には十分な水分を補給し、飲酒中にも水分補給を行うことが大切である。
上記のことに気を付けながら、上手にお酒と向き合いながらダイエットをしましょう!
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